『レッド・ツェッペリンⅣ』全曲レビュー

こんにちは。
今回は名作『Ⅳ』をご紹介します。

1971年11月発売、全米2位、全英1位というセールス。
キャロル・キングの『つづれおり』(と、『Ⅲ』で下げた期待値)に阻まれて全米1位こそ成らなかったもののロングセールスを記録し、結果的にはツェッペリンの作品で最も売れたアルバムとなりました。
内容ももちろんそのセールスに見合った傑作。

私もZEPの最高傑作はこの『Ⅳ』だと思います。

全曲レビュー

1.Black Dog

気持ちいいくらいに大雑把で、強引で、自分勝手な曲。

何が「黒い犬」なのか、何が「オゥ、イェー」なのか、まったく説明してくれません。

俺たちがやりたいリフをやりたいリズムでやるんだ。
俺たちが「オゥ、イェー」と言ったら「オゥ、イェー」だし、俺たちが「あ〜あ」と言ったら「あ〜あ」なんだ。
ついて来れる奴だけ、ついて来たらいいよ。

とでも言っているかのように、突き放した曲作りですが、そこがかっこいい。

2.Rock And Roll

「ブラック・ドッグ」に続いてハードな曲ですが、こちらは一転して単純で楽しいロックンロール。

こういうのやって欲しいんだろ? 出来るんだよ。
とでも言いたそうな、パワフルだけども余裕綽々な演奏がニクイ。

ボンゾのドラムが抜群にカッコイイんだけども、妙に「転がらない」リズム感なところにまた愛嬌があります。

3.The Battle Of Evermore

よーし、ハードなやつ2曲やったし、あとは好きなことしていいだろ。
という打ち合わせの様子が見えそうなくらい、いきなり雰囲気が違う曲。

マンドリンを使ったアコースティックな作品ですが、『Ⅲ』の頃より格段にレベルが上がっています。

『Ⅲ』の楽曲には、お兄ちゃんたちが山にこもって、自然と語らいながら作りましたよ、という空気がありました。
しかしこの曲はもう、それどころじゃありません。中世の、人跡絶えた深い森の中に佇む、賢者か魔術師のような趣さえ湛えています。

4.Stairway To Heaven

2曲続けて、静かな森の中みたいな曲です。

この曲についてはいろんな所で「名曲」と呼ばれていろんなことが書かれているんで、改めて何か言い足すこともないと思います。
ワタクシ個人的にはB面最後の「レヴィー・ブレイクス」の方が名曲だと思っているんですが。

しかしこの曲の最後の歌詞がとても象徴的でずっと気になっています。

All is one, and one is all.
To be a rock, and not to roll.

すべてがひとつになり、ひとつが全てになる。
大きな岩になって、もう揺らがないのさ。

ローリング・ストーンズのキース・リチャーズはよく
「みんなロック、ロックと言うが、ロールはどこ行っちゃったんだ?」と言っています。
ロックとしての激しさはどのバンドも持っているが、自然に体が動いてしまうような根源的な楽しいリズムを忘れているんじゃないかとか、頭で考えすぎて、自然で必然的な変化ができていないんじゃないかというような意味合いです。

その言い方に習えば、ZEPは典型的な「ロールしない」ロックバンドです。
上記の歌詞がどこまで狙ったものなのかは分かりませんが、この「天国への階段」以降のZEPはまさに巨大な岩(rock)のごとく、図太い芯が一本通り、圧倒的な存在感のある音作りになっていきます。

何十年たっても軸がブレているストーンズとは対照的です。
ストーンズの軸はまさに「ロール」にあって、あっちへコロコロ、こっちへコロコロ、思いつくがままにいろんなものに手を出して転がり続けます。しかし、「気持ちのいいリズム」という軸だけは守っていますが。

私はどっちも好きです。

5.Misty Mountain Hop

「天国への階段」からは一転して、急にユルい曲。

半分アクビしながらのようなプラントの歌唱法に、字足らずの歌詞。
ヤル気がすっぽり抜け落ちたかのような弛緩したリフ。
それなのに妙に耳触りは良いメロディ。
そしてこんな曲でもブレないボンゾ

変なんだけど、その「変さ」をおいしく味わえる佳曲。

6.Four Sticks

どこか『Ⅲ』っぽい雰囲気を感じる曲。

もうひとつ練られてない感があるところが、そう思わせるんでしょうか。
「ミスティ・マウンテン・ホップ」や次の「カリフォルニア」と比べると、作りが雑に感じます。

「フォア・スティックス」というタイトルは、ボンゾがスティックを4本持って演奏したことが由来だそうです。
4本持ちの効果は正直、よく分かりませんが。

7.Going To Carifornia

スローで穏やかなアコースティック曲。

『Ⅲ』に収録されていた「タンジェリン」や「ザッツ・ザ・ウェイ」といった、似た系統の曲と比較すると、荒削りさが無くなっており、明らかに一段階洗練されて、クオリティが上がっています。

このあたりでZEPは、ハードロックバンドとしてだけじゃない、こういう曲をやるバンドとしても一流の仲間入りをしたんだという気がします。

しかし言ってしまえば安定感がありすぎて、もはや「安全パイ」としてこの曲をやってる感も若干あります。
いい曲ではあるんだけど、冒険を感じないんだよなぁ。

8.When The Levee Breaks

私の選ぶ、ZEPの最高傑作

いろんなものをゴッタ煮にした結果、もはや何にも例えようのない、よく分からない音楽が生まれてしまっています。しかしそのエネルギーの高さと格好良さには間違いありません。

さながら黒人のむせび泣きのようなハープ、ボンゾのとんでもないドラム、念仏のようなギターリフ、オールドブルースの単純な歌詞と、これもまたブルースを下敷きにしたが故のざっくりとした曲構成、ラフな歌唱。

個々の要素で見ると決して良い材料ばかりではないのですが、それらがバラバラにではなく、混ざり合って渾然一体となったとき、エネルギーのカタマリが濁流のごとく押し寄せてきます。

「天国への階段」の陰に隠れて、あまり語られない曲になっちゃってるのはお約束ですが、骨太で、タフで、雑で、いい曲ですよ。

まとめ

というわけで、最高傑作『Ⅳ』のレビューをさせていただきました。

特に「天国への階段」や「ロックンロール」しか聴いたことがないという方には、ぜひ「レヴィー・ブレイクス」を聴いて欲しいですね。

あともうひとつ、このアルバムは独特なジャケットも大好きなのですが、それについてはこちらの記事で語っています。

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それでは。

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