【自動車部品メーカーの日常】グローバル化はクソだと思った、海外調達の波。

こんにちは。
自動車部品メーカーを辞めた者です。

今回は、現代の製造業とは切っても切れない、「現地調達化」のお話です。

私が担当したのはタイ・インドネシアをはじめとした東南アジア向け製品の現地調達化でしたので、以下、そのあたりの地域の話です。

現地調達化とは

ご存知の通り、日本は輸出大国です。

自動車についても、日本で作った車を海外へ輸出する、というのがスタンダードでした。

しかしこの流れが、徐々に変わってきています。

関税強化の流れ

日本から工業製品を輸入するばっかりでは国内産業が育たない。だから日本からの輸入品には高い関税をかけよう!

というのが東南アジア諸国の戦略です。

自動車メーカーの海外進出

自動車メーカーにしてみれば日本で作った車を輸出しても競争力がない。

メーカー
じゃあ現地に工場作って、現地で生産しまーす

というわけで自動車メーカーの海外進出が加速しました。

部品メーカーから見た、現地調達化

弊社
今度はインドネシアに工場を建てられるそうで。
絶好調じゃないですか〜
お客さん
それほどでも。
でさあ、今お宅から買ってるインドネシア向けの部品あるじゃん?
弊社
ええ。いつもありがとうございます。
お客さん
お宅から買ってインドネシア工場に輸入すると、高いんだわ。
例の関税が。
だから現地のメーカーから買おうかなって。
弊社
・・・そいつは困る。

という話になるわけです。

部品メーカーの、海外進出

こうなると部品メーカーは

弊社
お客さんの行くところならば例え火の中水の中・・・
やむを得ぬ。我々もインドネシア進出だ!

となるわけです。

現地調達部品の、見積もり

そうすると、次にやることは見積もりです。

とは言っても、国内の既存工場で作る部品とは話が違います。

まだ出来てもいない工場の、建屋や新規導入設備の償却費、1ラインの要員数や稼働計画、子部品を地場メーカーから調達した場合のコスト・・・
といった数字を一から積み上げながらの見積もりです。

恐ろしく手間が掛かります。

しかも、私含めてろくに海外案件を経験したことがないようなメンバーがやっているので

「ここの数字って円建てで計算するの? ドル建て?」

みたいなところでいちいち引っかかるので、手間も倍増です。

また、お客さんの方からは、あらかじめ

お客さん
少なくとも、日本の工場で作るよりは安くなるよね?

と釘を刺されてますから、手探りしながら、同時にターゲットに収まる数字を作らなきゃなりません。

海外勢との競争

で、一生懸命作った見積もりをお客さんのところにもっていくと、こうなります。

お客さん
・・・現地のメーカーの方が安いね。
何とかならない?
弊社
マジですか・・・精一杯ですよ。
お客さん
いや、ウチとしてもさ、正直お宅から買いたいんだよ。
現地メーカーはやっぱり品質とか不安だし。
だけどこの価格じゃちょっと、
社内で説明できないんだよね。

もうちょっと待つからさ。
頼みましたよ。

弊社
・・・カシコマリマシタ

やり直しでーす。

関連部署を集めて、コストを下げる余地がないか見直しの会議が始まります。
そればっかりやってました。

結論:グローバル化はクソである

そんなわけで、このときは無事、受注を守り通すことができました。
めでたしめでたし・・・?

でもよく考えてみると、弊社は苦労した割にまったく得してません。

売値は下がってますから。

まあ確かに放っておけば現地メーカーにお客さんを取られて売値が下がるどころかゼロになっていたわけですけれど。

それにしてもあれだけ苦労してサビ残して「値段が下がる見積もり」を必死に作っていたのだと思うと、やはり釈然としません。

結論:グローバル化はクソである。



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