ドナルド・バード『ブラックバード』

マイルス・デイヴィスのトランペットは、ミュートを使った、ひねったプレイなので
純粋にトランペットを楽しみたい! という気分の場合には
とりあえずリー・モーガンか、こちらのドナルド・バードあたりかなと。

それで、単にバードのリーダー作ということで手に取ったのが、本作でした。

結論としては、これはジャズとして聴くべきものではなかった。
しかし、もっと別の、想像していた以上の喜びがあった。

フォーマットとしてはフージョンに近い、
(本作の時点ではまだフージョンというジャンルが存在しなかったけれど)
個々のプレイを聴かせるというよりは、
バンド全体で一枚の風景を描くような音作りでした。

ゆっくりと朝焼けの光が広がっていくような開放感と、
新鮮な空気をたっぷり吸い込んだような充実感。
都会的に洗練されているんだけれど、
アフリカへの回帰を思わせるような、大地とつながって呼吸するような、深いパワーもある。
明るく、自由で、のびのびとして、喜びにあふれている、そんな音です。

おそらくバードのソロプレイも素晴らしいものなんだけれども、
それがどうでも良くなるくらいに、
曲と、バンド全体で描き出す情景が、鮮やかで、澄み切っていて、美しい。

私にとっては、ドライブの定番。
缶コーヒーでも買って、カーステレオでこいつを聴きながら、離陸じゃあ。

次に聴くべきは・・・

理知的で、都会的で、凄腕ベーシストのチャック・レイニーが参加している、
というのが本作との共通点。
スティーリー・ダン『エイジャ』

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