フェイセズ『馬の耳に念仏』

タイトルからして人を食っているが、
原題(A nod is as good as a wink to a blind horse)を忠実に訳すと
「盲目の馬に対しては頷くのもウインクするのも同じこと」といったところで、
似たような意味のことわざが日本にあって、そこにちょうど馬も登場するあたりが
ロックのマジックを感じさせますね。

このバンド、結成時は小顔のメンバーが揃っていたのでスモール・フェイセズと
名乗っていたのだが、新たに加入したロッド・スチュアートとロン・ウッドが
小顔でなかったために単なるフェイセズへ、と。
つまりそういうバンドなのだ。

70年代、ロックが急速に進化し、細分化していくなかで
自然に体が動きだすリズム、という
ロックンロールの魅力の最も単純で、根源的なところを大事にしていたバンドの代表が
ローリング・ストーンズと、このフェイセズだ。

フェイセズの音楽をひとことで言うと、「だらしない」。

ライブでは酔っ払って演奏が当たり前で、
ステージでサッカーを始めてしまう映像なんかもあるが、
そういうのを抜きにしても、基本的にスローなテンポに加え、
のったりのったりとしたねばっこいリズム、
決して急がないソロ、
ハモれているのか怪しいことこの上ないコーラス。

「ま、いいじゃない楽しければ」
という態度が目に見えるような、肩の力の抜け切った音なのです。
その余裕が、実にカッコイイ。

昼間っからエールビールをひっかけながら味わいたい。

次に聴くべきは・・・

アンニュイさと脱力感が加速する次作『ウー・ラ・ラ』

ことわざ繋がりで、ザ・ナイスの『少年易老学難成』



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