ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』

ジャズの定番中のド定番。

ピアノ、トランペット、サックス、ベース、ドラム
というオーソドックスなクインテット。

10分程度のやや長めの曲が4曲という構成で、
はじめて聴くにはややとっつきにくい印象があるかもしれないが、
決してそうじゃない。

曲が長いのは、各プレイヤーがソロをとる時間が
充分に、ゆったりと確保されているから。

プレイヤーは、短時間で見せ場を作る必要が無いので
曲の流れや、直前のプレイヤーのニュアンスを引き継ぎながら
無理のない、緩急とストーリー性に溢れたソロを展開していて、
「起承転結」さえも感じられそうなほど。

つまり、この作品のソロパートは
”長いがゆえに聴きやすい”のです。

そういった意味では、
トランペットのアート・ファーマー、
テナーサックスのジャッキー・マクリーンという
「派手すぎない」メンツも、このアルバムには最適だったと言えるかも。

彼らが颯爽と、しかし余裕綽々で歌い上げる
表題曲の「クール・ストラッティン」は、
さわやかに晴れたニューヨークを思わせるとても気持ちのいい演奏。

しかしいちばん聴いて欲しいのは、最後の「ディープ・ナイト」という曲。
リーダーのソニーが「俺のターン!」とばかりに弾きまくってます。
彼の硬質で湿っぽい音色でたたみ掛ける演奏は、
文句なしにシビレる。

ジャズの醍醐味であるアドリブを楽しめるという点に関して言えば、
この作品の右に出るものはなかなか無いでしょう。

集中してじっくり聴き込んでも飽きることがないし、
BGMとして聴き流していても、変に突飛なところがないので
こちらを邪魔しない。
まさに「定番」たるに恥じない、どこから攻めても隙の無い
安心と信頼と実績の1枚。

基本に忠実に、ブラジルの中深煎りのコーヒーでも飲みながら楽しみたい。

次に聴くべきは・・・

やはりオーソドックスにハードバップな
リー・モーガン『キャンディ』
こちらはトランペットだけのワン・ホーン。
このアルバムにもソニーが参加していて、相変わらずキレキレ。



広告
レクタングル大広告




レクタングル大広告




広告
レクタングル大広告